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日本ダービー前日の騎手談話まとめ

日本ダービー前日の騎手談話まとめ

 

1番人気ドゥラメンテ・デムーロ

 【ミルコに聞く】

 ――追い切りの感触は?

 3頭で併せてプレッシャーをかけるイメージだったが、道中の感じが良かった。凄くいい状態。

 ――馬場入り直後は大きく首を振っていたが。

 皐月賞の追い切りの時よりはおとなしかった。以前のようにコース入りで立ち止まったりせず、スムーズになっていた。

 ――その皐月賞は強い競馬だった。

 3コーナーまではいい手応え。4コーナーでは困ったが、直線はびっくりするほどの伸び。あれほど速い脚は初めて。

 ――今回はどう乗る?

 1~2コーナーだけは気をつけたい。みんながポジションを探すので、たまにぶつかったりする。テンションが高くなる馬なので、スムーズに走らせることが一番大事。後方になっても、落ち着いていれば大丈夫。凄い脚があるからね。

 
2番人気リアルスティール・福永祐一
 

■リアルスティールを管理する矢作芳人調教師

――早い時期からダービーを意識されてきた馬ですが、いよいよダービーですね
矢作「そうですね。よくここまで来たな、と思っています」

――皐月賞の前に『久しぶりに緊張しています』と話していました。今の緊張感は?
矢作「皐月賞の後に言ったように、あくまでも挑戦者なので。今回は結構気楽に楽しんできています」

――皐月賞を振り返ってください
矢作「うちの馬自体はいいレースをしたと思います。素直に勝った馬が強かったな、と思っています」

――皐月賞までの4戦、次々と課題を克服したように思いますが?
矢作「そうですね。センスの高さも能力の一つだと思うので。1回1回、レースを経験するごとに上積みがあったのでは、と感じています」

――皐月賞2着を踏まえて、その後の調整で主眼を置いたことは?
矢作「ダービーだからといって特別なことは出来ないので、一つ一つ今までやってきたことの精度を高めて、馬が現在持っているポテンシャルを最大限引き出せるように。それだけを考えてやってきました」

――皐月賞前の段階で、まだこの馬は7、8分だろうと話していました
矢作「まだ7、8分だと思います」

――ダービーをディープブリランテで勝った経験は生きていますか?
矢作「それは非常に大きいと思います。ダービーというレースは全てのホースマンが目標とするレースです。何か一つでもピースが欠けると勝てない。ブリランテで勝った時もそれを感じました。ピースが一つでも欠けることのないようにやってきたつもりです」

――今朝の追い切りは?
矢作「今日は反応を見る程度でやりすぎないように、ということでした。今週、しっかり負荷をかけたので、今朝の体を見て判断しました。本当にいい調教ができたと思います。リードホースの騎乗者が僕が要求したラップを正確に刻んでくれたので、非常に満足できる調教でした」

――皐月賞の時より、手ごたえは上ですか?
矢作「相手が強いので、それはどうでしょうか。でも、最初から春は5月31日を目標に厩舎スタッフ一丸となって祐一くんも一緒になってやってきたんで。それに向けてやれる仕事は出来たかな、という手ごたえは感じています」

――馬体重の数字も安定しています
矢作「今回、多少は減ると思いますがそんなに大きな増減はないと思っています」

――ダービーはどんなレースをイメージしていますか?
矢作「イメージしているのは直線で並んで叩きあいになるというレースになってくれればな、と思っていますけれど。基本的に作戦については一流ジョッキーなのでジョッキーに任せます。後は当日、馬場状態と枠順を見て細かな打ち合わせを祐一くんとしたいな、と思っています」

――現時点でピースは全て揃ったとお思いですか?
矢作「ギリギリまで究極の仕上げをしなければ勝てないし、かといって一線を越えてはいけない。99.9ならいいけれど、100.1になってはいけない。そういう気持ちで今日の追い切りに臨みましたけれど、それがしっかり出来たと思っています」

――ダービーに向けての抱負を
矢作「僕だけではなくて、誰もが勝ちたいレースですから。勝つために精一杯やってきたつもりです。後は天命を待つだけという気持ちです。頑張りますので、当日応援よろしくお願いいたします」

■リアルスティールに騎乗予定の福永祐一騎手

――皐月賞では正攻法の競馬でした
福永「枠もスタートも良かったので、中山2000mを勝てる競馬をしたつもりでしたが、1頭強い馬がいました。すごくスムーズな競馬が出来ましたし、馬も脚がたまっていたのでこれならいけるんじゃないかな、と思っていたんですが。仕方ないですね、もっと走る馬がいたので」

――ここまでの成長は?
福永「劇的な大きな成長はありませんが、ちょっとずつ良くなっているように感じます。デビュー戦の勝ち方が良かったのでダービーというか、GIを狙える馬だと思っていました。その後も順調に過程を踏んで、皐月賞からダービーとGIに出走出来ているので。順調に来れていると思います。最初から乗せてもらっているので、馬の変化や成長を一番近いところで感じさせてもらっています。徐々に良くなっていますがまだ良くなる余地は残っています。今の完成度が何パーセントかと聞かれると、100%がどこなのか分からないので何とも言えませんが。ほんとに1戦1戦良くなっています。皐月賞の時も調子は良かったですが、さらに動ける状態になっていると思います」

――先週はしっかりと追われました
福永「いつもレースの1週前は強い追い切りをかけ、当該週は馬なりくらいで、というのがパターンなので。予定どおりの調教を消化できていると思います。今朝も良かったですよ。先行馬を見ながらの内容で、タイムも内容も調教師の指示どおりだったと思います。乗っていた感触も非常に良かったですし、体の切れも良かったと思います」

――今回はどのようなイメージで騎乗しますか?
福永「中山の2000mとはコース形態も距離も違います。大きい競馬場なので、中山の2000よりは考えることは少ないと思っています。直線が長いので最後の末脚を生かせる競馬ができればな、と思っています」

――どのような気持ちで挑みますか?
福永「(これまでのダービーで)あれこれいろいろやってきましたけれど、勝っていないので。いつもどおり行ければいいかな、と思っています」

――最後に抱負を
福永「今年も有力馬で参戦することができました。こういうチャンスが続くものではない、というのは自覚しています。馬自身の体調は良く、現時点でスタッフや牧場と連携して出来る限り最大のことができているので。後は無事にゲートインしていい結果を出すだけだと思います。最後のバトンを受け取って一番いい形でゴールできればと思っています」
(取材・写真:花岡貴子)

 
3番人気サトノクラウン・ルメール
 

 第82回日本ダービー(GI・芝2400m)に出走するサトノクラウン(牡3・美浦・堀宣行)が、ウッドチップコースで最終追い切りを消化した。追い切り後、管理する堀宣行調教師と騎乗するクリストフ・ルメール騎手の共同記者会見が行われた。

■堀宣行調教師。
(追い切りについて)
「前走前に少しやり過ぎたという反省がありました。あと皐月賞の後の疲れが思った以上にありました。調子を上げていくことを慎重にして、グンと良くなってきたのは先週末くらいからです。そのような状況ですし、本番まで良い状態を取っておきましょうということで、トップスピードに入れないでソフトに追い切りました。折り合い等は心配ないのですが、一応(3頭併せの)真ん中に入れてそのあたりの確認を含め、皐月賞の後に状態がしっかり戻ってきたということも、ジョッキーに確認してもらいました。注文通りで調教の量としても申し分なかったですし、ジョッキーもしっかり把握して乗ってくれました。調整としては順調に来ています」

(不利があって6着だった皐月賞について)
「装鞍所に入って来た時に、既に少し平常心を欠いているところがあって、調子を落としていたというのが1番の敗因だったと思っています。ゲートの出が少し悪かったのと、道中いつもより行きっぷりが悪かったのも、やはり状態なのではないかと思います。それプラス、不利ですね。ルメールさんも言っていたように、ドゥラメンテよりも、その前に外に振られた部分が非常に大きかったです。ただ終いはしっかり脚を使っていましたので、勝ちはなかったかもしれませんが、何かがうまく転がっていれば力を出して2、3着には来られたのではないかと感じています」

(前走後の調整について)
「前走後は体が減っていましたし、ダメージもありました。放牧に出すと行き帰りの輸送もありますから、思っているほど放牧効果がないのではないかということで、在厩で状態を見極めながらやっています。当初は良化がスローで、悪いところまで行ってしまったなと感じていたのですが、途中から楽をさせて(体調が)戻ってきてからは早かったですね。先週末の段階でこれならいけるなという手応えが見えてきましたし、良かったと思っています」

(皐月賞時との比較は?)
「具体的には、体重で言うと10キロほど増えています。その分、メンタルの方も落ち着いているという感じで、体も硬くなってはいません。この馬はすごくシャープな切れ味を持っていますので、稽古でそれをやってしまうと体に疲れが出てしまいますから、このくらいの調整で丁度良いのではないでしょうか」

(東京2400mについて)
「ここまでの調教や競馬での状態を見ても、距離は問題なくこなせると思います。重馬場も1回こなしています。この馬は決め手がありますので、それが発揮できれば良い結果が出るのではないかと思います。いろいろな意味で、ドゥラメンテほど気を遣うようなところがありません。中山も合うと思いますが、東京が合うのは間違いないと思います。位置取りに関しては、馬場状態や展開、枠順などありますので、現状ではわかりません。あまり常識にとらわれていると本質が見えなくなりますし、この馬の良いところをしっかり出すということが大事だと思っています」

■クリストフ・ルメール騎手
(追い切りでは堀調教師からどのような指示がありましたか?)
「ハードな調教よりも状態の確認をしたかったので、直線に入ってどこまでやるかは騎手に任せますという指示で、3頭併せで追い切りをしました」

(追い切り後の感触は?)
「今、馬は本当に良い状態です。今日は本当にリラックスしていましたし、ストライドもスムーズでした。コンディションも完璧で、とても嬉しいです」

(皐月賞を振り返って)
「皐月賞は残念でした。レースの前半は良かったですが、4コーナーは大外を回り過ぎました。難しかったですね。でも皐月賞は終わりました。今はダービーです。競馬場も距離も変わりますし、自信があります」

(東京の2400mについて)
「サトノクラウンは、東京競馬場のレース経験がありますので、それはグッドポイントだと思います。ストライドも大きいので、多分、東京競馬場が大好きですし、向いていると思います。コースについては特に難しいことはないと思います。直線は長いですし、普通に走れば1番強い馬が勝つのではないかと思います」

(この馬が力を出しきるのに大事なポイントは?)
「この馬は非常に能力がありますが、乗りやすいです。もちろんレースが始まると何が起きるかわかりませんが、気難しい馬ではないので、リラックスさせて最後の400mで良い勝負ができれば良い走りをしてくれると思います」

(皐月賞ではスタートがあまり良くなかったが、ダービーでのスタートについては?)
「サトノクラウンは、いろいろな環境に興味津々で、あちこちを見る馬です。ゲートに入ってからも、落ち着かせるためにあちこちを見させていたましたが、もしかするとその分、馬の集中力が100%ではなかったかもしれないということに気づいて、ダービーでは返し馬から集中させるように、もう少し良いスタートが切れるようにと考えています。やはりスタートは1番大事なので、自分が欲しいポジションを取れるように集中させながら、良いスタートを切りたいと思います」

(他のメンバーについては?)
「ドゥラメンテが1番のライバルです。皐月賞では本当に凄かった。だから1番人気になると思いますし、本当に良い馬です。あとリアルスティールも良い馬です。でも、ほとんどの馬が2400mが初めてです。あまり期待していない馬がこの距離で思っていたより走ったり、逆に2400mが合わなかったという馬の両方が出てくるというサプライズを楽しみにしています」

(初めて騎乗する日本ダービーについて)
「日本ダービーは初めてですし、楽しみです。ダービーはどこでも大切なレースです。もちろんダービーに勝ちたいです」

(JRA騎手として日本ダービーに騎乗することについては?)
「とても嬉しいです。ダービーに参加するのも最高に良いですが、さらに今回は強い馬でチャンスもありますので、その2つを併せて非常に楽しみにしています」

(意気込みを)
「日本ダービーは、日本で1番のレースです。楽しみです。東京競馬場に来てください。応援してください。ありがとうございます」
(取材・写真:佐々木祥恵)

 
4番人気レーヴミストラル・川田将雅
5番人気サトノラーゼン・岩田康誠
 

■レーヴミストラルに騎乗予定の川田将雅騎手

――いよいよダービーですね
川田「はい」

――前回の青葉賞を振り返ってください
川田「ゲートはゆっくりでそこからも自分から進んでいくタイプではないですけども、道中のリズムが大切だと思っていました。4コーナーからいい雰囲気で直線に向いてくれました。ギリギリまで待って追い出しましたが、前を捕まえたらその瞬間からフワーッとしていました。目一杯ではないですけど、少し遊びながら勝つことができました。改めて能力が高い馬だなと思いました」

――この馬の良さは?
川田「これだけ終いがしっかりしているという、松田厩舎らしい馬だな、と思いました」

――前走はダービーの出走権がかかった一戦でした
川田「そうですね。前回に関しては、何よりも権利を取らなければいけなかったですから。馬が、そのみんなの期待どおりに勝ちきってくれました。ここまで無事に来れました。何より当日まで無事にいって欲しいと思います」

――青葉賞後も調教に乗られていますね。状態はいかがですか?
川田「先週より今週の方がずいぶんいい雰囲気になってきました。精神的にも落ち着きが出てきました。いい状態で本番に臨めればと思います」

――今朝の調教はいかがでしたか?
川田「輸送もありますし、あまりやり過ぎないでサラッと。動きも良かったですし、あれ以上動かすことよりも何より疲れが残らないように。青葉賞からの間隔が短いですからね。疲れが残らないように気をつけました」

――万全の態勢ですね
川田「すごくいい雰囲気です」

――府中の2400、イメージは?
川田「強い馬がたくさんいますが、コースと距離は経験しているのでそこに対しては不安は何もありません」

――皐月賞上位組との対戦については?
川田「非常に強いな、と思います。こちらは青葉賞まで(ダービーの出走権を取るのに)時間がかかっていますし、松田先生が常々『来年良くなる馬』だとおっしゃっている。このように、これから良くなってくるという状態でのダービーですから、やはり力の差はあると思います。でも、そこをなんとかいい内容でクリアしてくれたらいいな、と思います」

――今回は松田厩舎の馬で臨む最後のダービーですね
川田「松田先生は来年定年なので、最後のダービーになります。そこへこの馬が駒を進めたというのが何より大きな意味があると思います。松田先生のためにも頑張りたいですし、松田厩舎のみなさんのためにも、いいダービーになったらいいなと思います」

――最後に川田騎手ご自身のダービーに向けての意気込みを
川田「繰り返しになりますが、松田先生にとって最後のダービーになります。ここまで無事に来れたというのが何よりです。先生のため、厩舎の人のためにいいダービーになるように。そのためにレーヴとともに頑張りたいな、と思います」

■サトノラーゼンに騎乗予定の岩田康誠騎手

――今朝の追い切りでサトノラーゼンに騎乗されました。その前後、それぞれのイメージは?
岩田「騎乗前はレースセンスがいい馬だなと思っていました。今日初めて追い切りに乗りましたが、素直で乗りやすく、反応がいい馬だなと思いました」

――今朝の調教はいかがでしたか?
岩田「のびのび走らせるように気をつけました。直線、ラスト1ハロンだけ気合つける程度で乗りました。追い出してからの反応も良かったですし、全体的に良かったと思います」

――レースに向けての強調できる点は?
岩田「自在性があるので、それを生かしてレースしたいと思います」

――ダービーでのイメージは?
岩田「自在性があって乗りやすそうだな、と思います」

――最後に一言
岩田「テン乗りになりますが、チャンスを生かして頑張りますのでよろしくお願いします」
(取材・写真:花岡貴子)