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競馬騎手学校へ潜入
競馬騎手学校へ潜入

騎手はアスリートだ。競走馬の騎乗には強い体が必要で、人並み外れた筋肉を持っている。彼らは、普段どうやって体を鍛えているのか。競馬学校(千葉県白井市)を2月に卒業してデビューした藤田菜七子騎手も、在校中に男子と肩を並べてトレーニングに励んで騎手になる夢をつかんだ。そのすごさを知るため、同じトレーニングに挑戦してみた。【中嶋真希】

【写真】こんなことまで…未来の騎手のトレーニングは

早寝早起きの馬にあわせて、競馬学校の騎手課程生は午前5時半に起きる。馬小屋を掃除したり、馬の世話をしたりしてから朝食を取り、騎乗訓練をする。

午前11時、中学を卒業してこの春に競馬学校に入学したばかりの1年生8人が屋内で乗馬の練習に励み、乗馬未経験で入学した唯一の女子、芳賀天南(かな)さん(15)の姿もあった。芳賀さんは入学に向けて昨年末から自主的に練習していたので、駆け足や障害を跳び越えることもできるようになった。

一方、競馬場を想定した外走路が1周1400メートルの馬場では、2年生5人が決められたタイムで馬を走らせる練習をしていた。

馬に乗ったトレーニングを終えたら、栄養満点の昼食を取る。毎朝夕に検量があり、体重制限も厳しいが、1日2100~2300キロカロリーとしっかり食べる。食事後、2年生のフィジカルトレーニングを見学した。

◇10キロの重りをつけて綱登り

まずはウオーミングアップ。ノリのいい音楽が流れる中、体育館内を軽く走ってから、マットの上で受け身の練習をした。笑顔のまま、天井につるされた綱を腕の力だけで登る。驚く記者を横目に、今度は10キロの重りを体にぶら下げて綱を登り、20キロの重りをつけたまま逆さまでぶら下がった。苦しそうな表情を少しだけ見せるものの、まだまだ余裕がありそうだ。

騎手は、馬の条件を同じにするため、体重に応じて重りを身につけなくてはならない。その状態で時速60キロで走る馬を乗りこなすのだから、これくらい簡単なことなのかもしれない。

その後は、跳び乗っては下りるステップ運動を5段の跳び箱でやってのけた。普通の人なら、1段で精いっぱいだろう。あおむけになって寝転んだ足の裏に別の騎手課程生が立ってボールを投げ合ったり、トランポリンの上で騎乗を想定した訓練をしたりと、超人的なトレーニングが続いた。

彼らも最初からこのメニューをこなせたわけではない。外部講師でフィジカルトレーニングを担当する岩下智之さんは、「最初は、ランニングや、体をまっすぐに保って動く練習などから始めた」という。入学したてのころは、綱を登ることもできなかったという。超人に見える裏には、相当な努力の積み重ねがあったのだ。

◇同じメニューに挑戦するも…

「どうぞ、やってみてください」と学校職員に促され、綱を握ってみた。案の定、ぶら下がるのがやっと。2年生をお手本に2本の綱につかまり、逆上がりをした状態でぶら下がることはできたが、ずるずるとすべり落ち、薬指の皮が大きくむけて痛い。藤田騎手は、上まで登ることができたという。尊敬の念が、より強くなる。

その後は、騎手のトレーニングに欠かせない木馬を体験した。騎乗に必要な筋肉を鍛え、体に身につけさせるのに最適だ。元騎手で、現在は教官を務める小林淳一さんは「(騎手課程生に)なるべく乗るよう言っている。自主練習の時間などで乗っているようだ」と話す。

体を前に倒し、おしりを上げる。馬に引っ張られないよう、ひじを体にひきつけるのがポイントだ。この姿勢を保つだけで、汗が流れてくる。元騎手の横山賀一教官が「おお、いいんじゃないですか」と優しく声をかけてくれた。レースを想定して木馬を前後させてみたが、1分もったかどうか。「あー、もう無理」。すぐに息が上がり、へなへなと木馬を下りた。まるでついていけなかったが、いい汗をかいて気分は爽快だ。

◇乗馬未経験者も歓迎

ほんの少しだが同じメニューを体験し、騎乗には乗馬経験そのものよりも、それ以外の訓練で養われる高い運動能力と持久力が求められることを痛感した。競馬学校の門戸は、乗馬未経験者にも開かれている。新入生の芳賀さんも、昨年3月に宮城県内の乗馬クラブで初めて馬に触れ、その後福島競馬場でレースを見て騎手になることを決めた。経験はなかったが、空手や陸上で磨いた運動能力が高く評価され、合格した。

同校は今後、乗馬以外の分野からジュニアアスリートを発掘すべく、広報活動に力を入れるという。女子も歓迎というから、藤田騎手に続く女性騎手がもっと増えてほしい。

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