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吉田隼人|1番人気成績|2016年天皇賞(春)
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【天皇賞春】アクターの吉田隼人に岡部氏の金言『馬にプレッシャーをかけるな』

「天皇賞(春)・G1」(5月1日、京都)

主役候補は目下5連勝中と勢いに乗る昨年の有馬記念優勝馬ゴールドアクター。春盾初出場の鞍上・吉田隼は、同レース4勝の元ジョッキー・岡部幸雄氏からレース攻略の貴重なアドバイスを得た。

20日行われたゴールドアクターの1週前追い切りにまたがった直後、吉田隼は岡部幸雄JRAアドバイザーの姿を目にし、歩み寄った。騎手時代、天皇賞・春を4勝した同氏から、京都3200メートル攻略の極意を聞き出すためだ。

吉田隼(以下吉)「気を付けるべき点を教えてください」

岡部さん(以下岡)「まず速いスタートを切ってテンの位置を決め、ムダに動かない。ゴールドアクターはスタートが上手だからできるだろう」

吉「自分としてはテン良し中良し、しまい良しの馬だと思っていますが」

岡「いや、3200メートルを目いっぱい走らせたら、どんな馬だって持たない。道中、いかに気を抜かせるかが鍵になる」

吉「枠順の内外の有利不利はありますか?」

岡「内には内の、外には外の利がある。外枠でも1周目、楽に走らせれば必ず内に潜り込むチャンスは来る。決めつけないで、レース前にシミュレーションをすることが大事」

吉「2周目3角の下りから最後の直線に向くまでのポイントは?」

岡「下り坂で外々へ振られるのが一番いけない。理想は内3頭分までをキープして脚をためること。とにかく我慢だ。待てば追ってはじける。隼人は常時、中央場所で乗れるジョッキーになりたいだろう?」

吉「もちろんです」

岡「だったらビッグレースでも勝ちを意識しすぎたら駄目。馬にプレッシャーをかけるな。ゴールドアクターは大きな可能性を秘めた馬なんだから」

吉「ありがとうございました!」

20分以上に及んだ岡部氏の熱血指導。往年の名手の教えから得たものは大きいはずだ。

 

吉田隼人騎手にインタビュー

◆第153回天皇賞(春)G1(5月1日、京都・芝3200メートル)

第153回天皇賞・春(5月1日、京都・芝3200メートル)で、昨年の有馬記念の勝ち馬ゴールドアクターが主役の一頭として登場する。パートナーとともにグランプリでG1初制覇を果たした吉田隼人騎手(32)=美浦・フリー=にとって、春の盾は初騎乗。グランプリホースのすべてを知る男に、大一番を前にしての思いを聞いた。(聞き手・西山 智昭)

―ゴールドアクターと8戦して7勝、3着1回。すごい相性の良さだ。

「正直、菊花賞(14年)で3着に来た時はよく頑張ってくれたという感じでした。どこかで重賞に手が届けばいいなと思っていたんですけど、菊花賞から間隔を空けて馬が良くなりました。ひとつひとつ段階を踏んで力をつけてきた馬ですね」

―人馬ともにG1初勝利となった有馬記念の約1か月前に右膝蓋(しつがい)骨を亀裂骨折。執念の騎乗だった。

「実際にはしゃがめないくらい痛かった。リハビリでも140度くらいしか膝が曲がらなかった。木馬では痛くなかったが、実際に馬に乗ったら反動がすごくて。有馬記念は痛み止めの注射をして臨みました。皿にヒビが入っていたんですが、それがパリンとなってもいいという覚悟でした」

―そんなリスクを負ってでも乗りたかった。

「ここでコンビを離れては駄目だというのはありました。先生(中川調教師)もオーナーも、有馬記念に乗れなくても次は戻すと言ってくれたんですけど。最高の結果になったわけですから、本当に良かったなと」

―今年初戦だった日経賞も勝って5連勝。グランプリVがフロックではなかったと証明した。

「連勝する馬って、ズバ抜けて強いイメージがあるんです。ディープインパクトとかオルフェーヴルみたいに、瞬発力に優れていたり、スタミナが豊富だったり。僕の馬はどこかのピースが抜けたり崩れたりしたら、負けていた気もする。ただ、前走で試した競馬で差し切れたので、力をつけていると確認はできた」

―試した部分とは。

「有馬記念は意識的に出していったんですけど、今回は出たなりの競馬をしました。1番人気のサウンズオブアースが相手だろうなと思って、この馬を追いかけてどうなるのかなと」

―58キロを背負って、強い内容だった。

「馬がいつも以上に頑張ってくれたんだと思うんです。『ああいう展開(スローペース)は、しんどかったよおー』みたいに言われた気がして(苦笑い)。『もうちょっと平均的に走った方が俺は走りやすいんだよ。だけど、有馬記念で勝った相手だから負けられなかったよ』的な気持ちで走る馬だと思うんです」

―メンタルが強いタイプなのか。

「特に有馬を勝ってからは、堂々として自信を持ってきたような雰囲気が出てきましたね。G1馬の風格のような」

―この馬のセールスポイントを言葉にすると。

「いまだに分からないんです。物差しで測れないんですよ、本当に。500万、1000万でも楽勝しないのに、いきなり重賞、G1をポンポンと勝っちゃう。不思議でしょうがない。でも、あえて言うなら『乗り役思い』ですかね。余計なことをしないし、僕がシャカリキに追っていれば、必ず反応して、最後は1着で駆け抜けてくれる」

―天皇賞・春に向けての意気込みを。

「受けて立つというより、まだ戦っていない強い馬もいるので、それを負かしてやろうという気持ち。ドンと来い、というより挑戦者の気持ちですね。勝っている馬にも着差はわずかなので、油断はできないです」

◆吉田 隼人(よしだ・はやと)1983年12月20日、茨城県生まれ。32歳。04年3月に美浦・堀井厩舎からデビュー。同年4月24日の東京3R(スターオブアディラ)で初勝利を挙げた。07年にフリー。JRA通算650勝。重賞は15年有馬記念(ゴールドアクター)を含む11勝。実兄は吉田豊騎手。160センチ、48キロ。O型。独身。

吉田隼人騎手1番人気成績
クラス 着別度数 勝率 複勝率 単勝 複勝
新馬 5- 7- 3- 1/ 16 31.30% 93.80% 69 127
未勝利 42- 36- 13- 59/150 28.00% 60.70% 59 76
500万下 66- 37- 20- 88/211 31.30% 58.30% 80 78
1000万下 14- 11- 5- 17/ 47 29.80% 63.80% 90 90
1600万下 1- 4- 0- 7/ 12 8.30% 41.70% 16 57
OPEN特別 3- 4- 0- 2/ 9 33.30% 77.80% 93 106
G2 1- 0- 0- 1/ 2 50.00% 50.00% 105 60
重賞 1- 0- 0- 1/ 2 50.00% 50.00% 105 60
牝馬限定 23- 21- 7- 27/ 78 29.50% 65.40% 72 86
ハンデ戦 9- 6- 1- 11/ 27 33.30% 59.30% 106 87
500万下* 3- 2- 2- 7/ 14 21.40% 50.00% 45 72
平場 89- 68- 29-117/303 29.40% 61.40% 66 78
特別 43- 31- 12- 58/144 29.90% 59.70% 85 84
(混合) 63- 49- 20- 84/216 29.20% 61.10% 73 82
(国際) 2- 1- 0- 2/ 5 40.00% 60.00% 100 84
(指定) 1- 1- 0- 0/ 2 50.00% 100.00% 120 130
[指定] 81- 61- 25- 99/266 30.50% 62.80% 71 81
(特指) 13- 10- 6- 19/ 48 27.10% 60.40% 62 80
別定 3- 3- 0- 3/ 9 33.30% 66.70% 93 91
馬齢 50- 45- 18- 67/180 27.80% 62.80% 59 80
定量 70- 45- 22- 94/231 30.30% 59.30% 78 79
2歳限定 17- 12- 7- 18/ 54 31.50% 66.70% 70 83
3歳限定 34- 35- 11- 49/129 26.40% 62.00% 55 80
3歳以上 52- 23- 18- 47/140 37.10% 66.40% 97 89
4歳以上 29- 29- 5- 61/124 23.40% 50.80% 63 70