- 投稿 2015/01/13 更新 2018/11/07
- 中央競馬騎手 - 黛弘人騎手
今週フェアリーSを勝利した黛騎手のまとめ
◆第31回フェアリーS・G3(12日・芝1600メートル、中山競馬場、良)
第31回フェアリーS・G3(12日、中山・芝1600メートル)は、逃げた11番人気のノットフォーマルが直線粘り込んで優勝。鞍上の黛弘人騎手(29)=美浦・フリー=は、06年のデビュー以来、10年目で初の重賞制覇。ヴァーミリアン産駒もJRA重賞初勝利となった。2着はローデッド、3着にテンダリーヴォイス。1番人気に推されたカービングパスは8着に終わった。
粘りに粘った。4コーナーを先頭で通過したノットフォーマル。ラスト400メートルを過ぎてから、振り下ろされたムチは17発。黛の猛ゲキに応えるように、最後まで脚いろは衰えず、後続の追撃を振り切った。「行く馬がいなかったので、自然とハナにいけた。いつもしぶとい馬。今回も持ち味を出して頑張ってくれました」と、逃げ切りで飾った重賞初Vを振り返った。
鞍上にとっても、デビュー10年目でつかんだ悲願の初タイトル。「すごく嬉しいです。デビューしてから足踏みをして、重賞を勝つなんて夢のまた夢だったので」。担当する黛幸弘助手は元騎手で父親。奇跡のような勝利を愛馬が演出してくれた。
管理する中野栄治調教師も、トロットスターで制した01年のスプリンターズS以来、実に4852日ぶりの重賞制覇だった。「もう勝てないかと思っていた。黛親子で勝てて良かった」。父だけでなく、息子もデビュー当初は所属しており、師弟関係にあたるだけに、「今日は(酒が)美味いぞ~」と上機嫌で報道陣を笑わせた。
今後のローテーションは未定だが、春の大目標は桜花賞(4月12日、阪神)となる。「権利を取ったんだし、堂々とね。この馬は度胸がいい。競って強いし、今後が楽しみ」とトレーナーの期待は大きかった。携わる関係者に、幾重もの笑顔を届けたノットフォーマル。今後も“人馬一体”で、更なる栄冠を目指していく。(西山 智昭)
◆黛アラカルト
▽生まれ 1985年11月12日、茨城県出身。29歳。
▽初騎乗 06年3月4日に中野栄治厩舎所属でデビュー。初勝利は同年4月1日、中山8Rのイチライタッチ。JRA通算2733戦92勝。
▽油断騎乗 11年2月26日の小倉競馬12Rでメジロガストンに騎乗した際、直線で先頭に立ったものの、決勝線手前で腰を浮かせてゴールして2着に。30日間(開催9日間)の騎乗停止処分が下された。
▽家族 13年にタレントで元競馬キャスターの水野由加里と結婚。
◆ノットフォーマル 牝3歳の黒鹿毛。父ヴァーミリアン、母リミッターブレイク(父マンハッタンカフェ)。戦績8戦2勝(うち地方1戦0勝)。総収得賞金4968万3000円。重賞初勝利。生産者・北海道新ひだか町の千代田牧場。馬主・芳賀克也氏。美浦・中野栄治厩舎所属。